出張 ①

彼からの告白後、

「来週の出張時は一緒のホテルに泊まろうよ」と。

「そして一緒にお風呂に入ろうよ」と。


いやいや、経費で落ちないでしょう?と思いながら

承知してしまいました。

 

そして、1週間後の出張では

本社での打合せは全く頭に入らず、

夜の事ばかり考えてました。


だって夫以外の人に裸を見られるのは33年振りですよ・・・。


彼は

ただ一緒にお風呂に入り添い寝してくれれば良いと言いましたが、本当にそれだけで済むのか?と。

いやいや〜でも〜どうしよ〜、と


コロナ禍の中、会社も大変なのに、

大事な会社の未来の話は何処へやら・・・。

何故、私?

彼は、社員が帰った後の役員室で「愛してる」と言われ、突然キスされ、驚きのあまり腰を抜かしそうな私をきつく抱きしめてきました。

骨折れるかと思いました


「何故、私なんですか?」と聞くと


「貴方みたいな人は初めてだ」と。

  (いや〜居ますよ、そこら辺にたくさん。)


「最近とても色っぽくなったよね」と。

  (そりゃ、名刺に取締役となっていれば

  変な服も着れないし、さりげないアクセサリーも  必要ですからね!

  体型もやや痩せ気味のDカップだけどさ)


「毎日貴方の事を考えてる」

  (いや、会社の事考えてよ・・・)


 とにかく、妻子ある人からこんな風に突然

 愛の告白をされるとは、まさに青天の霹靂。


 何も答えられないまま長いキスをされて

 何年振りだろう、この感触・・・

 


 こんな感じで本当に身近に起こった

 私の不倫がはじまりました。


 でも、不思議と罪悪感が全くないし、夫にも

 申し訳ないとも思わなかった。


 でも、会社ではキスは駄目だよ、ね。


 社長と役員がさこんな事。

腰が抜けるってこういう事ね。

彼と私は同じ会社の本社と支所でそれぞれ勤務する

役員同士です。4年前に会社の業績が危なくなり

他に会社を経営していた彼が今の会社を買い取りました。つまり、彼は社長になったんですよ。

それでも会社は大変で彼は本社でリストラを行い、

私は支所の方で社員の意識改革を進める為、

数字で管理し、稼ぐ力を社員に植え付けました。そんなこんなで、コロナ禍の今年でも去年より150%に回復しました。その間、彼とは何回も売上や経理などで相談したりしましたが、そんな彼から突然

「愛してる」「もっと愛してくれよ」と言われ

腰が抜けました。